みそかが苦手だ

新しい年になることって、前の年を捨てることとほぼ同義だと思っていて、かなり寂しくなる

西暦として「現在」を表す数字って一つしかなくて、今は2023  過ぎた年、たとえば2022、2021はすっかり過去の数字になっている  数日もたてば2024になってく... 失われる2023を思うと気が滅入る

今まであったものから、新しいものへと目が向けられること自体は自然なことだし、新しいものは歓迎するべきだと思うけども 失われるものに目を向けないと、本当に失われてしまう気がする

 

よく、「死は2段階あって、肉体の死のあとに、人から忘れられた時が本当の死」みたいな言説があるけど 別に死ななくたって忘れられることはあると思う しょうがないことだけど、もう会うことのない人とかは私のことを忘れるし、知らず知らずのうちに私を殺してるだろう

私自身が生きてても死ぬことはある それが怖い 今もどこかで私は誰かに殺されてるんだろうなと思ってダバダバ泣く日もたまにある

一方で私も誰かを忘れるし、誰かを殺してる 誰を忘れてるかわからないが、忘れてることはわかる 忘れるのが怖くて、いろんなことを覚えていたくて、忘れられてくものを同情の気持ちで見ている

今まであったものが過去のものになるのが悲しいし、いつか忘れられていくのが怖い

 

『劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト』でも似た話があるけれど

いわゆる「新しい自分」へ変わるとき、過去の自分を手にかけているんじゃないか 古い自分を捨てて「現在」に辿りついている その道中、古い自分は死体すらなく失われる 変化の過程で失われる自分があるってすごい話 「大場なな」にとっての「純那ちゃん」は変わっていき、「知ってる純那ちゃん」ではなくなる どうしたって「今」は「過去」になってゆくし、「過去」の全てが残るわけじゃない だから、「大場なな」が過去の出来事を永遠のものにしようとしたのは共感できる話だと思っている

過去の「大場なな」にとっても今の「大場なな」にとっても最高だったと思える出来事(第99回聖翔祭)があって、彼女にとって大事な思い出だった その思い出について、みんなが「あの時よりも良いものを作ろう」と意気込んでいて、過去を否定される気分になる 過去のものを燃料にして進んでいって、文字どうり燃やされて無くなってしまうような気がする 自分にとって最高だった思い出をみんなが忘れてしまうのが寂しい

「大場なな」が成長してないとかそういう訳ではなく、新しいものを模索する道中で過去のものを過去として扱い、いろいろを失うのが怖いのだろうなと思う  個人的には、当時の感情とか盛り上がりだとか、感覚的な情動を忘れるのが怖い

 

失われる側の人間になりたくない、忘れられたくない 死んで過去になるのが嫌 

機械が電源ついてるときは光るみたいに、私が生きてることを示してくれるのは肉体だけだから、肉体が滅ぶこと、かなり恐ろしい VRチャットみたいな、生身の肉体を離れた自己の認識はかなり抵抗感がある

でもいつか幕を閉じるわけで 生きるのが嫌でも楽しくても終わりが確実にあるらしい みんな平等に不幸という点では良いことかもしれない 平等な幸はないから 不幸が分配された方が平等ということは往々にしてある 悔しい 抗いたい 天邪鬼だから

 

去年くらいまでは、死ぬことへの恐れが全くなくて むしろ、という感じだったんですが、最近は本当に怖い なんだろう 涙腺がゆるくなってあらゆるコンテンツでぼろ泣きする度、この感情を享受する器(私)が無くなるの嫌すぎるなあと思っています

これも変化だな、過去の自分とは少し違くなっている 今の自分だっていつ変わるかわからない いろんなタイミングの自分に戻りたいし、その遺体に触れたいと思う

 

誰かに食されて血肉になりたい 誰かの糧になれるように生きて、腹の底に居座り続けたい 私が死んでも誰かの意思の1ピースにでもなって、形を変えてでも生きてた証拠を残したい 誰かに意思の連鎖を起こして、自分がいたことで誰かの人生を少し面白くできたら、最高だなぁ 

良いものそれ自体を継ぐというよりかは、感じたきらめきを他の人にも伝えたいという気持ちがあります 最高だなと思った感情の機微を他者にも存在させたい 他者の人生に前向きなバタフライエフェクトを起こしたい 

他者に影響を与えられる人間というと、ジェット機みたいにビュンビュンと物事を進められたり、一度会うだけで忘れられなくなるくらい人間性が魅力的、な人間が何人か思い浮かぶ そういう生命力にあふれた人が眩しい 近付いたらイカロスみたいに羽を焼かれそう 太陽みたいな人間がいることが悔しい 俺は弱い そういう人と比べると私が人生でできることは少なそうで、私にできることは他の人にもできることばかりなのかもしれない 嫌だな 弱気になりたくない 私も何か遺したい 「思考・感情の連鎖をさせたい」はかなり核になってる想いで、考えすぎれば暗くもなるし弱気にもなる

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(あんさんぶるスターズ!! メインストーリー第2部 第八章「SS」第五話の姫宮桃李)

 

人生を頑張りたい気持ちとちょっと辛いなって気持ちの2つがあります

いつか終わるのならせめて良いものであってほしい、楽しいと思えて、大事にできるものを見つけたいし、残したい

(あんさんぶるスターズ! スカウトイベント「スカウト!ギャング」第5話の七種茨)

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↑(フォロワ~の最近の好きなツイート 盗んでごめん)

呪いっていい意味でも悪い意味でもあって、相手にとって無意識にまとわりつくものみたいな意味だと解釈した どうにか誰かの記憶に残り続けて、呪いをかけたい 正確に思い出されなくても、なにかしら影響を与えられたらきっと、意思は継がれてるし、私は生きてると思う

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Perfumeの「未来のミュージアム

『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』の主題歌 最近聞いてすごくよかった

映画の内容を踏まえて、言葉どうりの意味を拾うと、劇中で未来にタイムスリップしたのび太が、未来のものが飾られているミュージアムを冒険し、その冒険を盛り立てている歌なんだけど

歌詞を自分の方に手繰り寄せながら聞くと、ミュージアム(過去のものを保存する場所)がつないだ歴史の先に「現在」や「未来」があるということを歌ってくれてる気がして、すごく嬉しかった 過去と未来がひとつながりになって、切れないようになってるような気がして 過去は過去のものだけど、過去の意思が紐みたいに伸びた先に「現在」があるのかもと思えた 「現在」はどんどん「過去」になるけど紐はつながってて全くの別物じゃないのかもしれない それだとあたたかいなぁ

中田ヤスタカ ありがとう